施設から帰りたがる人への対応

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施設から帰りたがる人への対応

夕方になると帰るという人

夕方になると、デールームとエレベーターホールを行き来する認知症の女性Aさん。職員や来客の出入りを気にするようにエレベーターをよく見てらっしゃいました。
「疲れた。」と話されるので、座って休むように促し、椅子に座るも、落ち着かない様子ですぐにふらふらと歩き回る行為が繰り返し続いていました。

そのうちに、
「○○町に帰る。」
「娘がそこまで迎えに来ている。」
・・・と、興奮気味に話すことが増えてきました。

慣れ親しんだ習慣や役割をお願いする

介護士は、散歩に連れ出したりレクリ―エーションに誘ったりと、気分転換を図りましたが徐々に進行する様子が見られていました。そこで浴室のタオルたたみや食事用エプロンたたみ、本棚の整頓、簡易な家事をお願いすると集中し気がそれる時間が長く、気持ちの落ち着きも見られました。

認知症の方は、どこか夕方になると情緒不安になる傾向があります。

精神不安や徘徊の症状が見られる方に、気分転換をはかるのもいいと思いますが、昔からの慣れ親しんだ習慣や役割をお願いすると、気持ちも落ち着き役目がある充実感も出てきて、精神安定にはとても効果があると思います。

初期認知症の症状を進行させないように、介護士もその方にあった対応を試行錯誤し探っていかなくてはなりません。