これって、初期認知症なの?

元気で聡明だった母が、謙虚で几帳面だった父が、脳内出血で倒れたが一命をとりとめた夫が、物忘れや勘違いが多くなってきた、ピントの外れたことを言う、これまでの本人らしくない人柄になる。ごく普通の会話がうまくいかなくなってきた・・・。
初期認知症が家族に出たとき、本人も家族も、経験したことのない事態に直面します。
- なぜ本人は想像できない行動をとるのか
- なぜそっくり忘れるのか
- これは性格によるものなのか
- 老化によるものなのか
- 認知症によものなるのか
家族の不安、悩み、疑問は尽きないと思います。
当サイトで、現在研究されている一般的な知識と、実際に介護現場で働いているプロの介護士の体験談やアドバイスを見ていきましょう。
初期認知症のチェック
認知症の初期症状、前認知症(小ボケ)段階として、以下のようなチェック項目が挙げられます。
- 同じことを何度も言ったり聞いたりする
- 失敗が多くなり、言いわけをする
- 自分の失敗を人のせいにする
- 物の名前や人の名前が出てこない(あれ、それが多くなる)
- 物を置き忘れる、探し物が多くなった
- 物盗られ妄想が起こる
- 日付、曜日、月がわからない
- いつもの道がわからなくなる
- 勘違いや誤解が多くなった(話がずれる、噛み合わない)
- 判断や決定することができなくなくなった
- 怒りっぽくなった、落ち着かなくなった(イライラする、被害者意識的になる)
- 相手の意見を聞かない
- 以前よりもひどく疑い深くなった
- 薬の管理ができなくなった
- 買い物や預金をおろすなど、お金の使い方がわからなくなる
- 身だしなみに構わなくなった
- きれいにしていた人がお化粧をしなくなった
- ぼんやりしていることが多くなった
初期認知症の家族の対応
初期認知症は本人にも不安、プライド喪失、恐怖、苛立ちなどがあるため、家族の不用意な対応によって進行を早めてしまうことがあるようです。逆に、本人を追い込まず、プライドを傷つけないよう気をつけながら適切な対応をすると、進行を止めたり改善することもあるようです。

そういった意味で、初期認知症は本当の認知症になる前、あるいはなりかけの、ボーダーラインなのかも知れません。
家族もまた、認知症の症状が現れたことに対してショックを受けるでしょうし。本人の性格的なものなのか症状からのものなのかの見分けが付かず、苛立ちと不安の中にいると思います。
すべき方向がわかっていてもなかなかそうできない。現実はそうだと思います。しかしそれでも、少しでも、本人を落ち着かせて穏やかな環境を作ってあげることは、結局は本人と家族にとって負担を減らしていく結果になるようです。